岩永さんの論文

研究員の岩永さんによって明らかにされた硫酸アンモニウム施肥時のタイムラプス・トランスクリプトーム解析の結果がbioRxivに掲載されました。本研究はヤンマー株式会社と島根大学の共同研究の成果です。
https://biorxiv.org/cgi/content/short/2024.05.02.591416v1

窒素(N)は、植物の成長と発育、および作物の収量と品質を決定する重要な栄養素です。大半の植物種において、土壌中の硝酸塩とアンモニウムが窒素の供給源となっていますが、イネ、コムギ、ナタネなどの主要作物を含むC3植物では、硝酸塩の利用効率は大気中のCO2濃度の上昇と共に減少するが、アンモニウムの利用は変化しないことが知られています[1]。そのため大気中のCO2濃度の上昇が進む将来において、アンモニウム施肥の利用は農業の大きな関心事であります。しかし植物は高濃度のアンモニウムに対して、しばしば成長阻害を引き起こしてしまい、そのメカニズムと対応策は明らかになっていませんでした。そこで本研究では最も一般的なアンモニウム含有肥料である硫酸アンモニウムを施肥した場合、どのような遺伝子の発現変化が起きるかを時系列に沿って明らかにしました(=タイムラプス・トランスクリプトーム解析)。